近畿算数・数学教育研究大阪大会

 昨日、近畿算数・数学教育研究大阪大会(「学ぶ力をはぐくむ算数・数学教育の実践」)の全体会に参加しました。
分科会にも参加したかったのですが、午後からは、守口市の初任者の公開授業研究会があり、そちらを選びました。

 大会要綱(日本数学教育研究会)

 新井紀子氏の講演は、たいへんすばらしいものでした。
 論理的に考える力をつけるために、読み解く力、ことばを(数学的なものに)置き換える力、わかりやすく表現する力などが必要で、箇条書きにするとか、因果関係を明確にするとか、その他具体的にどういうものが必要なのか。そして、そのために具体的な授業として、あいまいな言葉での問題を出すということをおっしゃっておられました。

 円周率の定義から、それが、3.で始まることの証明、宇宙人へのかけ算の説明、などなど、やってみたくなるような授業案です。
 そして、すべての定義からはじめる必要のある、プログラミングの基本を学ばせる問題についても言及されていました。(外国人に銭湯の入り方を説明するマニュアルなど)

 その中で、強調されていたのは、「とは?力」でした。
 これは、「・・・とは?」を繰り返していくことにより、自分がほんとうはわかっていないということを、はっと(恥ずかしいと)気づかせることだということです。
 フィンランドの教育で、繰り返されているミクシ(なぜ?)とか、トヨタでのなぜを5回繰り返す、などにも通じるものなのでしょうが、ちょっとニュアンスが違う気もします。
 
 また、主催しておられる「e-教室」に参加する子どもの、変遷(成長)を通して、考える力をつけることの効果、大切さを再確認させていただきました。

 そして、算数の授業で身につけさせたい「作文の力」を、明確に述べられており、これらのことは、算数、数学にかかわるすべての教師が、意識していく必要があると感じました。